鬼遊び ーオニアソビー
暗闇でキラリと光る刃を手首に押し当てゆっくりと引いた…。


真っ赤な血が滴り落ちる…。

みんなと同じ真っ赤な血。
温かい真っ赤な血。


私が一人の人間として生きていた証。



しばらくすると手首からだんだん体温が奪われていくのがわかった。意識は混濁し視点も定まらなくなってきた。


これで死ねる…。やっと楽になれる…。そう思った…。



ひとーつ。船のり川越えて。

ふたーつ。針のむしろを登りましょ。

みーっつ。深紅の池、泳ぎ。

よーっつ。竹串、刺しましょう。

いつーつ。お手々を切り落とし。

むーっつ。あんよも、もぎましょか。

ななーつ。お目々をえぐり出し。

やーっつ。お口をつぐみましょ。

ここのつ。お腹を切り開き。

最後は閻魔のお出ましだ。


またこの唄…。いつか聞いたあの唄だ…。
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