アタシに付きまとう彼が愛おしい
杉野くんの存在!信じられないっ
あれから1ヶ月。
「祐華、帰ろ」
「うん」
高校に入ったら、端っこで大人しく過ごそうと思っていたアタシに、杉野くんが現れてからそれを乱されるようになって…
どうしたら、人間不信を無くせるの?
無くせる方法があるなら教えてよ。
アタシだって、普通にクラスメートとして仲良く接していきたいんだよ?
でもそれが出来ないんだ。
それって、言い訳だよね、うん。
杉野くんとは遊びの関係にしてしまったのも、
遊びやったら、最後に捨てられても苦しまずに済むから。
「着いたよ」
今日の放課後は、杉野くんの家に寄ることになった。
「お邪魔しまーす」
「いつもの部屋で待ってて」
「うん、分かった」
そう言って部屋に入るのも何回目だろう…
部屋はちょっと暗めだけどしっかり片付けてある。
「祐華、こっちに来いよ」
そして今ベッドの中。
無理矢理に引っ張り抱きつかれた。
「洸太苦しいよ…」
気づいてたら、杉野くんの下の名前を呼ぶようになった。
「祐華…」
「何?」
「祐華が人間不信になったのは誰のせい?」
「誰のせいでもないよ。アタシが弱いだけ」
「俺はどんな祐華でも好き」
そして向かい合うとキスをした。
甘くて優しいキス。
それで本当に良かったのかな…
洸太にギュッと力いっぱい抱きしめられると、落ち着きながら、ますます罪悪感が増えていく。
「祐華?顔色悪いけど」
1人でそんな事を考えていると、心配な顔でアタシを見てきた。
「ううん、何でもない!」
若干不自然になりながら、答える。
すると…
タイミングよく健永くんから電話がきた。
いまだに、何で洸太を求めていたのかは分からないけど、まっいいか。
なんて思いながら、健永くんと話した。
『あー俺。今大丈夫?』
『うん、どうしたの?』
翌日。
健永くんが電話で教えてくれたんだけど…
何で…