アタシに付きまとう彼が愛おしい
「洸太に会いたい…」
何でアタシがこんな思いしなくちゃいけないのよ。
「もしかして、河野?」
…誰?
「え、覚えてないの?」
「あ、はい…」
「校舎裏で話した事がありますよね?」
校舎裏…?
あっ、アタシを呼び出した人か!
その後、洸太に邪魔にされたっけ?
「アタシを呼び出した人ですよね?」
「思い出してくれた!河野って杉野が好きなの?」
な、何で…!
「アタシ、好きな人なんていませんよ。むしろ要らない」
「好きだと思ってたけどなぁ」
「あっ、あの。用事思い出したので、ここで失礼するねっ!」
アタシは1人になりたくて、保健室に行ったのに、神谷くんが来るし、ここに居ても1人になれないし…
場所を変えようとしたら、
「浮気、2回目」
何で…洸太がここに…
「祐華、帰るぞ」
洸太の声は、今まで聞いたことのないくらい冷たい声だった。
「洸太…?」
「分かんねー」
「えっ、分かんない…?」
返ってきた答えに目を丸くする。
「お前が好きすぎて、どうしたらいいか分かんねー」
「アタシと居るのが疲れた?」
「そんなんじゃない。遊びじゃなくて本気で俺を見てほしい」