アタシに付きまとう彼が愛おしい

「過去に何があったか知らんけど、俺は祐華から居なくならない」


洸太は最初からずっとアタシに寄り添ってくれる。


アタシ、洸太を突き放したり、振り回したりしたのに…


添えられた洸太の手があまりにも優しくて、泣きそうになる。


「いつまで祐華に優しくしてやれるか分かんねーから。俺だってそんなにメンタルが強くないから」


あんなに自信満々だったはずの洸太が、苦しそうな顔で言ってくる。


「いつもごめんね…。帰ろう」


洸太はアタシの方は見ず、ただ真っ直ぐと前を向いて歩く。


そんな洸太をアタシは隣から見上げ、その綺麗な横顔に向かっていた。


ありがとう、洸太。
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