アタシに付きまとう彼が愛おしい
「祐華の気持ちをちゃんと相手に伝わらなきゃ意味がないだろ?」
この数週間、ずっとモヤモヤしていた。
だけどね、気持ちを素直に認めるだけで不思議にとてもスッキリする。
「伝えてくるよ。でもその前に神谷くんとちゃんと話したい」
少しずつ過去を受け入れて、前に進もう。
放課後。
教室の中はアタシと神谷くんだけになった。
話すんだ!変わるんだ。
「神谷くん!今話せるかな…?」
「俺もちゃんと話したい」
神谷くんと向き合って話すのはいつ振りだろう…
「アタシ、過去をちゃんと終わらせたい。だから普通に出来ないかな…?」
「ずっと謝りたかった。本当にごめん」
「知っている範囲を教えて欲しい。正直、分からないの。何で葵がアタシにあんな事を言ってきたか、何で神谷くんがアタシから離れていったか、今でも分からない」
葵たちに裏切られた日からずっと、考えてた。
もっと友達を大切にすれば良かったって。
そしたら、今も一緒に居れたのかも知れないって。