アタシに付きまとう彼が愛おしい

「ずっと気になったんやけど、どうしてこんなアタシと友達って思ってくれたの?」


「うーん。何でだろうなぁ」


アタシは袋に付いているヒモを解いたら、


「え、嘘!?ずっと欲しがっていたゴールドピンクの腕時計やん!ありがとう」


「どういたしまして」


凄く可愛いっ!


何でアタシの欲しいものを知ってるの…!?


菜々は恥ずかしながら、アタシに言った。


「以心伝心かな?って川嶋くんから聞いたよ〜」


「あーそうなんだ。めっちゃ嬉しい!」


「祐華、さっきの質問だけど」


「うん?」


「祐華は周囲に流されたりしないんでしょ?」


「それはどういうこと…?」



流されないって、目立つ存在になりたがってるそこらの女子と、アタシは違うって事?


「芯があって、ブレない所が好きなんだよね」


「え、アタシが?」


そんな事を言われるのが初めてで、どんな反応したらいいか分からなかった。


「祐華と同じクラスになった日、私聞いてしまったんだよね…」


「聞いてしまったって…?」


菜々の瞳は神秘的だった。

菜々と話す時、ちゃんと目を見て話した事がなかった気がする。

菜々の瞳は凄く美しくて、本能的にそう直感した。


「私、杉野くんの事が好きだったんだ」


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