アタシに付きまとう彼が愛おしい
ついに土曜日がやってきた。
4人で映画やボーリングで楽しむ事にした。
だけど当日、雨が降っているのが原因であの日を思い出す。
確かに、2年前長崎旅行に行った時も酷い雨だった。
何か、嫌な予感するけど、気のせいかな…
「祐華〜!これから電車で15分くらいにしたら着くよ!」
「うん!今日楽しもうね」
後ろから聞こえる洸太の声に反応してしまう。
…駄目だっ。
昨日の事が、恥ずかしすぎて、思い出したくない。
「よっ」
今日は無事に終えるといいけど…
ようやく健永くんも合流して、時刻を確認してそれに合わせて電車に乗った。
そう、アタシたちはダブルデート(仮)するんだ。
スマホを確認すると、神谷くんからの不在着信が数十件。
どうしたんだろう…
電車が動く前に電話しなくちゃ。
アタシは1回降りて、神谷くんに電話をかけた。
『やっと出た…』
数秒したら、神谷くんと繋がった。
『ごめんね。全然気付かなくて…』
そうだった…!
アタシ、充電器が無くしてて、気付いたら洸太んちに落としたみたい。そのまま充電してなかったんだ。
『あのさ、来週から葵が俺らの学校に転校してくるんだ』
え…?
健永くんが、神谷くんが転校してくると教えてくれたように、今度は神谷くんが葵が転校してくると教えてくれた。