恋愛境界線
第1章 先生とわたし、最悪の出会い
見慣れない風景を見渡しながら、私は歩道を歩く。
前いた学校の通学路と比べて、車通りも多くて都会だなと感じる。
「うん、何とか学校に着いたよ」
私は携帯の向こう側にいる”彼”に告げると、学校の正門前で立ち止まった。
『これから離ればなれだな』
「でも電車で2時間よ?会いに行こうと思えば、いつでも会えるじゃない」
『休みの日は絶対会いに行くから』
「うん」
『そっちに行っても、浮気とかするなよ』
「しないよ~!奏(かなで)は心配性ね」
『また今日の夜電話するから』
「わかったわ。じゃあまた後でね」
そう言って私は通話を切る。