恋愛境界線
「ここが理科室で、となりが理科準備室。そして階段をはさんで奥が視聴覚室ね!」
全校集会も終わって、学校初日が終わる。
私はしーちゃんに約束通り学校案内をしてもらっていた。
今日はしーちゃんとずっと話をしていたので、出会ってたった数時間だけどとても仲良くなっていた。
「学校案内してもらって助かったよ。ありがとう」
「そんなの全然いいよ~!わからないことがあったら聞いてね!」
しーちゃんは見た目はギャルっぽい印象だけれど、私がわからないこともすべて丁寧に説明をしてくれて、意外とマメなタイプのようだ。
「うん」
「じゃあ次は2階ね。そこの階段から降りよう」
別館3階から2階に降りようと角を曲がったとき、前を見ていなかった私は誰かにぶつかる。
「ごめんなさい!」
そう言って顔をあげると、相手は大きな段ボールを抱えた本郷先生だった。