恋愛境界線
第11章 芽生える恋、始まる三角関係
次の日から"本郷先生"は、その言葉通り病室に来てくれた。
「ちゃんと大人しくしているか」
「してますよ」
扉を開けてそんな会話を交わしてすぐ、看護師さんに呼び出されて5秒だけの会話のときもあれば、
「ふう…」
「忙しそうですね」
そんな何気ない会話から始まり、10分15分いてくれることもあった。
数日見ていてわかったけれど、本当に病院は忙しそうで、そんな忙しい合間を縫って私のところに来てくれる。
「他にも患者さんいるのに、大丈夫なんですか?」
そう訊ねると、
「君のところにくるのは回診と…休憩も兼ねているからな」
そう言ってくれたときは嬉しかった。
私に心を許してくれてるってことなのかなって。
私の思い込みかもしれないけれど。