恋愛境界線
雪花が、兄貴と…?

そんなことって…



"お前は子供過ぎる。そこが駄目なんだよ"


兄貴のあの言葉。
いらっとしたけれど、冷静に考えたらその通りかもしれない。


僕は雪花を手に入れるために、かなり強引に迫った。

捻挫したのは偶然だったが、
勝手に"雑用係"に任命して放課後、雪花と2人きりの時間をつくった。

できるだけ距離をつめて、"可愛い"を連呼して。

そして"雑用係"最終日、
告白まがいの台詞を吐いて、結局僕からじゃなくて雪花に告白させて。

しかも雪花には彼氏がいたのに、無理矢理別れさせて。

やっと正式に付き合い始めたら、優姫のことがバレて。



よく考えたら僕、最低すぎないか?
フラれて当たり前じゃないか?



ああ…。

何となくわかった気がする。
だから僕、フラれたんだな。

僕みたいな強引で最低な男より、
兄貴みたいに真面目な男のほうがそりゃあ魅力的だよな。


僕はまた、深くため息をついて真っ暗な空を見上げる。
< 117 / 230 >

この作品をシェア

pagetop