恋愛境界線
「痛っ……くない?」
これは思いっきり怪我したんじゃないか。
そう思ったら、身体のどこも痛くはない。
というか、床が柔らかい…?
「大丈夫か赤坂」
そんな先生の声が真後ろから聞こえてきて驚く。
よく見てみると、私は先生の膝の上に座っていた。
落ちる瞬間、先生が私をかばってくれたんだとやっと理解した。
「ごめんなさい!」
私はさっと退いて、先生のほうをみる。
「その感じならどこも怪我してなさそうだな」
そう言って先生は笑う。
「雪花ちゃんに怪我なくて良かった…本郷先生は大丈夫??」
しーちゃんは本を抱えたまま先生に歩みより、床にしゃがみこむ。
「おう、この通り何とも…」
立ち上がろうとした先生は、足に力を入れた瞬間顔を歪める。
「本郷先生?もしかして痛いの??」
「あー…ちょっと左足ひねったかも?まあ大したこと…」