恋愛境界線
「先生は、いつも自分勝手だよ。
自分の気持ち、押し付けてばっかり」


胸の中のもやもやが、涙に、言葉になって溢れて止まらない。


「私を、ちゃんと見て。

"赤坂雪花"を、ちゃんと見てよ!
だから、私は…隼人さんを…」


私は自分の言葉にはっとして、両手で口を押さえる。
そうだ、隼人さんと付き合い始めたことは…





「知ってるよ」

「…え?」


「兄貴と付き合い始めたこと、知ってる」


先生はそう言って私から目を逸らし、背を向ける。





ああ。なんだ。
知ってたのか。

隼人さんに、聞いたのね。

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