恋愛境界線
ーーーあれから1年。
私は高校3年生になった。
私と隼人さんは順調にお付き合いを重ね、今に至る。
隼人さんが食卓の席につくと、目の前にカレーを盛った器を置く。
「いっつもカレーでごめんね」
「いい。作ってくれるだけで嬉しい」
"いただきます"
二人でそう言って、スプーンを持つ。
先にカレーを食べはじめる隼人さんを、私はじっと見つめる。
"君を…俺の無責任な行動や心ない言葉で、
泣かせたり傷つけたりはしない"
この1年、隼人さんは付き合う前に言ってくれたこの言葉をずっと守ってくれた。
いつも"そばにいてくれるだけで十分だ"と、
そう言ってくれる。
私に多くを求めず、
そして不安にさせないよう忙しい中こまめに連絡をくれ、予定を調整して30分でも会えるときは会いに来てくれる。
なかなか会えないけれど、不満も不安も感じたことなんて一度もなかった。
共に過ごす時間を重ねるほど、彼に惹かれていく。
そんな真面目で、愛情深い隼人さんの全てが私は好きだった。