恋愛境界線
第17章 僕の隣に、君はもういない


最近、小川先生が頻繁に話しかけてくる。

「本郷先生!これなんですけどぉー」

「僕にはわからないので、林先生に聞いてください」


今年から新しく赴任してきた小川先生は、
職員室では僕の後ろの席で、よく向こうから話しかけてくる。
正直、鬱陶しいと感じるほどだ。

やっぱり、社会科準備室に行こうか。
…いや、もうあっちには必要最低限しか行かないって決めたんだ。

僕は次の授業で使う教科書とプリントをまとめて、職員室をあとにした。
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