恋愛境界線
「私が好きなのは“本郷雄飛”じゃなくて、“本郷隼人”よ」
そうだよ。
この1年、とても幸せだった。
「隼人さんは私のことを“絶対に傷つけない”って約束してくれた。
この1年、それを守ってくれた。
すごく大切にしてくれた…っ
私は、隼人さんとずっと一緒にいるって決めたの」
これでいい。
これでいいんだ。
「失礼しました」
そう言って勢いよく職員室から出る。
はやく、職員室から離れたい。
学校から出たい。
その一心で廊下を駆け抜けて、私は学校をあとにした。