恋愛境界線
第18章 交錯する、嫉妬と恋情


“兄貴じゃなくて、僕じゃだめ?”

“1年前も言ったことは嘘じゃない。
僕は…“赤坂雪花”を好きだって”


私は料理をしながら、さっきの出来事を思い出していた。



それは、別れを告げたときも言われた。
“私”を好きだって。

嘘を言う人じゃない。

わかってる。
だから、本当なんだろう。

けど、今更それを言われて、
私が先生のもとへ戻るなんて、できるわけがない。

私には、隼人さんがいるもの。



なのに、
さっき先生に抱き締められたときの感触が、
ぬくもりがいまも残っている。


忘れなきゃ。
はやく、忘れたいーーー
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