恋愛境界線
第20章 四角関係、それぞれの思い-後編-
「雪花…!大丈夫か」
隼人さんは私達が部屋に着くと、心配そうな表情で玄関から飛び出してくる。
「うん、冷やしてたから腫れも治まってきたかな。ごめんね、連絡できなくて」
「それは仕方ない。でもまだ腫れてるな。奥で処置する」
隼人さんは私の足をすばやく抱え、軽々とお姫様だっこで奥の部屋へと連れていく。
「ちょっ…隼人さん!」
先生がまだ玄関で見てるのに…
「…。じゃあ、僕はこれで…」
「雄飛」
隼人さんの、いつもより低めの声が響く。
「下で待ってろ。処置したら行く」
「…ああ、わかった」
これは、修羅場の予感…。