恋愛境界線
「君は、雄飛が好きなんだよ」




あ…

私は隼人さんに、なんて残酷なことを言わせたんだろう。



そんなの、とっくにわかっていた。

私が、先生をずっと忘れられずにいたことを。

隼人さんと一緒に笑いあっていても、心の片隅にずっと先生がいたことを。


気づかないふりをして、逃げていた。



「君の気持ち、きちんと伝えた方がいい。雄飛はずっと待ってるぞ」

「隼人さん…」

隼人さんは立ち上がって、私に背を向ける。
微かに、鼻をすする音がした。



「別れよう、雪花。
君には、ちゃんと幸せになってほしい」






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