恋愛境界線
ーーーーコンコン。
「どうぞ」
久しぶりに聞いた声。
その声を聞いて、私は心臓の鼓動がはやくなる。
「先生」
「雪、花…」
先生と話すのは8ヶ月ぶりだった。
あれ、前はどうやって話してたっけ。
「職員室に行ったらここだって」
「ちょっと片付けてたんだよ」
以前はもっと埃っぽくて、本で溢れていたのに、すっきりしたなあ。
「学校、辞めるの」
「ああ。僕もちゃんと、前を向かないとと思って、別の学校にな」
辞めるだなんて、私に一言も言ってくれなかったじゃない。
「どこに?」
「隣の県だよ」
そんなの、会えなくなるじゃん。
先生の馬鹿。
「ねえ、先生」