恋愛境界線

ーーーーコンコン。

「どうぞ」

久しぶりに聞いた声。
その声を聞いて、私は心臓の鼓動がはやくなる。

「先生」

「雪、花…」

先生と話すのは8ヶ月ぶりだった。
あれ、前はどうやって話してたっけ。

「職員室に行ったらここだって」

「ちょっと片付けてたんだよ」

以前はもっと埃っぽくて、本で溢れていたのに、すっきりしたなあ。


「学校、辞めるの」

「ああ。僕もちゃんと、前を向かないとと思って、別の学校にな」

辞めるだなんて、私に一言も言ってくれなかったじゃない。

「どこに?」

「隣の県だよ」

そんなの、会えなくなるじゃん。
先生の馬鹿。




「ねえ、先生」

< 221 / 230 >

この作品をシェア

pagetop