恋愛境界線

「私は、先生と一緒に行きたい」


私は先生の背中からゆっくりと離れると、
先生は振り向いて私の目を見つめる。

先生の目は、潤んでいるように見えた。


「好き。だから今日でさよならなんて嫌」


これが、私の答えだった。


「行きたい大学には合格したし、私は目指していた医者になれる夢を叶えられる。

でも、その未来に先生がいないなんて耐えられない。

泣かしてばっかりだったんだから、今度こそそばにいて、私を笑わせてよ。

もう、だめ…かな」



ずっと、言いたかったことだった。
これで振られても仕方がないって思ってる。

私はずっと先生から…先生への気持ちから逃げていたのだから。

それでずっと傷つけてきたんだから。
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