恋愛境界線
「雪花、好きだよ」

その言葉が、ずっと聞きたかった。

「私も先生が好き」


「“先生”じゃないだろ、もう」

「あ…そっか」

もう私は卒業したんだから、
私達は“先生と生徒”じゃないんだよね。

「前に教えただろ。何て呼ぶんだった?」

先生はにやにやしながら私を見ている。
改めて呼ぶってなると、恥ずかしいなあ。

「ゆう…と…」

私がそう呼ぶと、先生は満足そうな表情を浮かべる。
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