恋愛境界線
第3章 加速する恋、膨らむ気持ち
奏とは家が隣で、小学生のときからの幼馴染みだった。
何をするのにもいつも一緒で、それが当たり前だった。
私にとって奏は”弟”のようで、手のかかる男の子。
だと思っていたーーー
中学3年生の夏のことだった。
『なあ、雪花』
『うん?』
『今度の日曜に花火大会一緒に行かないか?』
『うん、いいよ。あと誰誘う?みっちゃんとか、山田とか?』
『…いや、二人で行きたい』
『二人で?なんで?皆で行ったほうが楽しいじゃん』
私がそう言うと奏は立ち止まり、真剣な表情で私を見つめる。