恋愛境界線
私、何てことしたんだろう。
こんなに一途に思ってくれている奏を裏切って、先生を好きになって、両想いになって舞い上がって。
最低だ、私。
「ひとときでも離れたくない。…他の男に取られないように、ずっと縛りつけて監禁しときたいくらい。俺やばいよな。引くだろ?」
「奏…」
こんな弱々しい奏、初めて見た。
私、奏をここまで追いつめていたんだ。
「電車で二時間なんて距離、余裕だって思ってた。でもいざ離れてみれば、たまらなく会いたくて。寂しくて。
完全に俺のものにしたいと思った」
奏はある建物の前で足を止める。
私は入り口の看板を見てドキッとする。