恋愛境界線
「君には本当に悪いと思っている。
彼女に君という存在がいることを知りながら、彼女を奪ったのは僕だ。
謝っても謝りきれない」

「謝られても許す気はない」

「そりゃそうだな。
許されることじゃない。
けど君に責められようが、罵られようが
…彼女を手離す気はない」



先生…


「…何だと?」

私を抱き締める奏の手に力が入る。

「彼女が僕と”離れたい””嫌いだ”と言わない限りはね」





先生。
私のことそんな風に考えてくれてたんだね。
本気で想ってくれてたんだね。


なのに私は先生に対しても、奏に対しても中途半端なままで、ずっとこうなることから逃げてきた。

奏も先生もちゃんと向き合ってくれているのに。




私は、先生が好き。


だから曖昧な関係は終わりにしよう。
奏にちゃんと伝えようーーー
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