恋愛境界線
「え…!?あの…先生?」

寝ぼけているの?

離れようとしても、力が強くて振り払えない。
それどころかさっきよりも強い力で抱き締められる。

「せんせ…」

私がそう言うと、少し力が緩んで先生の顔が目の前に来る。
先生の瞳に私が映っているのがわかると、だんだんと心臓の鼓動がはやくなっていく。

まるで今にも泣きそうな、潤んだ瞳で私を見つめる。

何でそんな、哀しそうな表情をするの?


「……ひ…」

「え?」

先生が何かを呟いたかと思うと、私の唇に先生の唇が重なっていた。
先生の息づかいが感じられた。

「せんせ…!まって…」

必死に抵抗しても、先生はやめてくれなかった。
そのあと何度かキスをされたあと、私は思いきって先生の頬をひっぱたいた。
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