恋愛境界線
「奏…私、先生が好き。ごめんなさい。私たち、今日で終わりにしたい」


静かな声で告げる。


しばらく沈黙が流れたあと、奏は伏せていた顔を急に上げ空を見上げる。


「あーー…覚悟してたのに、きっつ!」


真っ赤な鼻をすすり笑顔を浮かべているが、必死で涙をこらえているように見えた。



「あいつに飽きたらいつでも戻ってこいよ」


「うん」


「喧嘩したらいつでも愚痴聞くから」


「うん」


「浮気されたら俺がぶん殴ってやるから」


「うん…」


「泣くなよ。俺は大丈夫だから」


「でも…」


「これ以上泣くならまたラブホ街に連れていくからな。今度こそ連れ込むぞ」


「奏…」


「俺を振ったんだから、幸せにならないと許さない」


「…うん。ありがとう」


奏。
一緒にいれて楽しかったよ。
ありがとう。
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