恋愛境界線
「赤坂雪花です。隣の県から引っ越してきました。よろしくお願いします!」
私は教壇の前で無難な挨拶をしたあと、クラス全員から拍手で迎えられながら、指定された席につく。
すると隣の席に座っていた女の子がすぐに話しかけてきた。
「隣の席の藤川時雨(ふじかわしぐれ)でーす!よろしくね!雪花ちゃんって呼んでいい?私は”しーちゃん”って呼んでねっ!」
「もちろん。よろしくね」
彼女は頭の上で髪を綺麗にお団子にしていて、うっすら化粧をしている。
気さくで明るく、誰にでも話しかけれるタイプのようだ。
「ところで、びっくりしたでしょう」
「ん?何が?」
私はきょとんとした顔で聞き返す。
「もちろん本郷先生のこと!」
私は本郷先生の名前が出てドキッとする。
「…何のはなし?」
まさかさっきの見られた?