恋愛境界線
え?
死ん…だ…?
私は後ろを振り返り、辛そうに語る先生の背中を見つめる。
「彼女が死んだことがどうしても信じられなくて、それから社会科準備室に閉じこもるようになった。
それから2年。
やっと普通に笑えるようになって、彼女を思い出に変えれるようになった。
けど先月、雪花が現れた」
ああ。
だから私を見て、あんな哀しい顔をしていたんだね。
だから社会科準備室に閉じこもるようになったのね。
やっとすべてが繋がった。
「はじめは、優姫と重ねてみていた。
僕と彼女の母校だから、
雪花が制服を着ていると、高校生の優姫と一緒にいるように感じて幸せだった」
目にたまった涙が頬を伝う。
奏はそんな私を、隣で見つめる。