天使の翼

エピローグ 梶原 優side


『昨日午後4:32分頃、〇〇県の県立高校で1人の女子生徒が屋上から飛び降り搬送先の病院で死亡しました。
死亡したのは、県立高校に通う高校2年生の松井 翼(まつい つばさ)さん16歳で、これに対し学校側は、いじめはなかったと記者会見しました。警察は、事実確認を急ぐと共に捜査を進めています。』



僕は、松井さんが自殺した場所に来ていた。


持ってきた花束をそっと置く。


「松井さん。ごめんね。あの時、守ってあけられなくって。榎本達、松井さんが死んでもなんとも思ってなかったよ。『アイツが死んでくれて良かった』とか『数週間休みだったからラッキー!』って。自殺まで追い込んだのに、ひどいよね。ねぇ、松井さん。そっちの世界はどう?いじめられたりしてないよね・・・・・・。じゃあ、僕はそろそろ行くよ。元気でね。君のこと忘れないから。」





そう言うと、僕は走早に走っていった。






優しい風が吹き、置いていた花束の花が1輪、返事をするように静かに揺らいでいた。


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