私が髪を切った理由
「ハリカ、落ち着いた?」
「あぁ。悪い。もう大丈夫」
「それなら、良かったです」

バスがようやく目的地につき、気持ち悪いのがだいぶ治まった。
そうこうしてる間に点呼が終わり、今回の遠足の目玉である宝探しが始まった。
山に隠してある宝を暗号を解きながらチームで探していくっていうゲーム。

「じゃあ頑張ろう!ハリカ、槌谷くん、百瀬くん、よろしくね!」
「よろしく」

チームは4人構成。
このチームも事前に決めてあったものだ。
暗号は全部で5つ。

「じゃあ張り切っていこう!」

こういうのに燃える質のユイが先導に立つ。
はっきり言ってもう、帰りたいんですけど…。
「はい、3つ目ー!」
「やりましたね!」
「ほら、みんなスタンプ押して!次の暗号にいくよ!」

あれから3つの暗号を解いた俺たち。
って言っても解いたのは瀬戸なんだけど。

「それにしても先生たちすごく凝ってるよね、こんな宝探し?するなんて」
「それな。めんどくせぇのによくやるよ」
「暇なんじゃねーの(笑)」
「だな」

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