私が髪を切った理由
「そうだよ。喧嘩はダメだよ。」

と。
知らない男が話しかけてきた。
と同時に胸ぐらを掴んでいた手を離す。
170くらいの身長に黒髪、少しタレ目なその顔はまだ中学生の名残があった。

「速本くんも。先生にそんなこと言っちゃダメだし、立花さんも女の子なんだから喧嘩しちゃダメだよ。」

あの金髪。ハヤモトっていうんだ。
どっちでもいいけど。
それにしてもこいつ…。
女の子扱い、したな。

「その女の子扱い、やめろ。」
「なら、喧嘩やめてね?」
「つか、お前。誰」
「僕?僕は瀬戸優太。よろしくね」




──それが優太との出会い。
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