三坂くんはまちがってる
翌日、
学校スタイルである黒縁メガネと
垂れ流した前髪を軽く鏡の前でチェックすると
家を出て、電車に乗った。
「最近宮下とどうなのよ〜」
「どうって…別に何も無いよ」
「うそつけ、バレバレなんだから」
恋話に花を咲かせる、可愛い女の子たち。
クルリとカールした髪の毛や茶色のカラコン。
短いスカートとカバンに付いた大きなストラップ。
窓に映る私の学校スタイルとは、当然かけ離れてて、私は目を伏せた。
羨ましい…なんてそんな今更な感情
抱いてしまっても意味が無い。
どうしようもない。
切り替えなきゃ。
私は私、他人は他人。
誰にどう思われたって
私はこうやって乗り越えていくしかない。