あなたの青 わたしのピンク
「なんか照れるんだけど。もういいかな愛果。」

彼の気持ちなんて全く考えず

ポスターに見とれてしまった私

その言葉で自分を思い出した

「あ、ごめん。」

そう言って横にいるハルの顔をみた

いつの間にかサングラスをしていた

「あら、隠しちゃった。もったいない。」

その言葉を聞くと

ハルは照れくさいのか下を向いて

自分の鼻の頭を人差し指の先端こちょこちょ掻いた

そのしぐさが可愛くて

自然に私は笑顔になった

そして私の愛しい人がこんなに美しく

そして考え方も素敵なのがとても嬉しく

誇らしかった

そして同時にやばいなとも思ったんだ

このポスター見たら皆ハルに惚れちゃう

少なくとも私は

メロメロなのが更にメロメロになりそうになった

ハルのさっきの言葉がなかったら

きっとそうなっていたはず

でも、そんな気持ちはハルには内緒にしなきゃ

彼氏のが自分より美しいって

女性なら誰でもプライドが認めたくない

決して

勿論これは一般論

私はそんな気持ちはとうに超えてしまう程

彼に夢中になっていたから

あのマネージャーさんの言葉

そして

私や両親をまるで自分のことの様に思ってくれるハルを

私は知っているから
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