あなたの青 わたしのピンク
「振りかえらないで愛果。少し早く歩こう。」
そう前を見ながらハルは言うと
私の肘を掴み速足になった
言われたとおり
私も速足でその場を後にした
スタジオのある通りから交差点を左に入ると
ハルは私の肘を持つ手をゆるめた
そして前を見たまま
「愛果ごめん、近頃あの二人殆ど毎日あそこにいるんだ。」
そう言ったハルの声は少し悲しそうだった
私は心配になってハルの手を強くつかむ
大丈夫だよ、私は味方だよそう伝えたかった
「ごめん、そうだ愛果に見せたいものがあるんだ
ちょっと遠回りをしようか。」
ようやくハルが私の顔をみた
いつもの私の知ってるハルだった
私は笑顔で頷くと握った手の指をハルの指に絡めた
ハルが少し驚いたような顔をしたが
気に入ってくれたらしく
私の指に指を絡めてくれた
そしてその手を引いて私をいざなった