あなたの青 わたしのピンク
東京でハルのライブがあったので

それを見にいったのだけど

私は仕事と両親が心配で一泊しかできなかった

ハルも当日は朝から打ち合わせやリハ

ライブのあとは打ち上げが朝まであって

独りでハルの部屋へ戻り

移動の疲れからベットに横になると

朝まで眠ってしまった

そのまま二人で午前中はベットの上で過ごした

昼からランチを兼ねて東京駅の近くで

二人で昼食を済ませ

そのまま私は次の日仕事があったので

夕方の新幹線で名古屋へと帰路に着いたのだった


ハルの顔を見る事ができて

彼が元気なのを確認することができれば

私はそれで充分だった

彼と二人ですごす

日曜の朝のベットの上

彼が幸せそうに私を見つめ

朝の光の中まどろんで二人

また

短い眠りにつく

目が覚め瞼を開けるとそこに

私を見つめるハルの瞳がある

それだけで私はとても幸せで

自然と笑顔になるのが判った

「おはよ。」

打ち上げでかすれた声で呟くハル

私も挨拶をし

彼の頬に手を伸ばす

彼の秋の空気に冷やされた肌が心地よく

触れたくても触れられなかった

彼と離れていた時間の

胸の切なさが一気に溶けて消えてゆくのがわかった

「ずっとこうしたかった。」

私は彼に知って欲しくてそう呟く

「俺も」

そう言って彼は

彼の頬を包む私の手を

包む様に彼の手で触れた

「会いたかった。」

そう呟くと私を抱きしめて

また一緒に眠ったのだった
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