だいすきだったきみへ。
きみが後ろを向いてきて、

わたしの筆箱を漁るから、

なんだろって思ったら、

「尖っとる鉛筆ない?」

なんだそういうことか。

「これ?」

なんて言って貸すと、

あまり尖ってなかったのか、

何回かこっちを向いて変えてたね。

「尖っとる鉛筆ある?」

わたしも同じことを聞いた。

ならきみは

無言で貸してくれたね。

交換してるってなって、

わたしは嬉しかったんだ。

あとからきみの仲良しくんに、

「鉛筆交換して書いていちゃこらしてた」

なんてからかわれたんだ。
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