だいすきだったきみへ。
きみは男の子ひとりで入りにくそうにやってきた。

男子ほかにも誘えばよかったのに、

なんてちょっと思っちゃったよ。

あまり覚えてないけど、

いろいろ断られまくったんだっけ。

きみのことが好きだったあの子の家に向かうとき、

きみがあんまりに来ないもんだから、

きみの袖の裾を引っ張ったんだ。

「なに」

きみは冷たい口調で言うから、

少し不安で、むきになって

「行こ」

って強い口調で言っちゃったんだ。
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