だいすきだったきみへ。
何回かやりとりが続いた。

《ほんま?》

ねぇ、どっち?

《いや、うーん?》

やっぱり嘘じゃん。

《やっぱりそっちから言ってください》

わたしに先に言わすんだね。

もういいや、なんてやけくそだった。

《きみです》

きみの名前を言った。

《嘘や》

ほんとだよ。好きなんだよ。

《嘘じゃない》

全然きみが信じてくれないまま、

またこのやりとりが続いた。

《信じられへん》

ほんとだよ。信じてよ。

《じゃあ信じなくていいし。こっちは言ったもん》

そっけなかったかな。

《じゃあ言うか。…お前》

またわたしの名前をきみが言う。

《嘘や》

信じられるわけないじゃん。

《ほんまやってば、信じてよー》

だってきみは親友が好きなんでしょ?

だってわたしと話すときそっけないじゃん。

《何処がいいかわからんもん》

わかんないよ。

《性格》

きみはわたしの性格をいいって言ってくれるの?
< 65 / 163 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop