名もない詩集
10年後のうた

10年後の雨の季節のうた

ねぇ
嘘みたいだね

あれから
10年も過ぎたよ

今でも君の顔
すぐに
思い出せるのに

笑った顔
泣いてる顔
眠ってる顔
喧嘩した時の顔

君も
覚えているよね

私の笑った顔
泣いている顔
眠ってる顔
喧嘩した時の顔

そして
君の腕に
抱かれた時の顔

喧嘩して
飛び出した
あの日の
お陽さまの熱さ

私は草の上
腰をおろして

泣きながら
君が迎えに
来てくれるのを
待ってた

君の残した
腕時計は
あの日のまま
時をとめてる

君の着ていた
シャツと靴は
君の
スポーツバッグ
今も眠っている

私達の愛も
時を止めてる

動かせるなら
どんな事もする

愛している
今だって
少しも変わらず
愛し続けてる

それはどうにも
できないの

私達は
時を止められた
永遠の恋人
悲しい恋人

いつまで
悲しい夢を見て
泣きながら
目覚めればいい

二度と
会えなくて
声すら
聞けないなら

死んで
終わりにしても
いいですか

この悲しい恋を
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