名もない詩集
また夏がきた

君と出会った
あの夏がきた

そして
二人の
愛の証が
私に宿った
あの夏がきた

夏休みが
終わったあの日

思いも
してなかった

まさか
君の子供を
宿してたなんて

君は

驚いたでしょ?
ごめんね

と言って
私を
かばうように
抱きしめた

二人で
いつまでも
話し合った

卒業するまで
待ってると
言う私に

君は婚姻届を
持たせて

もしも万一
その頃に
裏切りそうに
なったら
俺をぶってね
そう言った
泣きながら

こんなふうに
きりなく
君を思い出して

まるで
寄せては返す
波と同じだね

でも
簡単には
忘れられない

好きなまま
会えなくなった

それはつまり
こんな日々の
ドアだったんだ

君の心が
夜空を通して
私の思いと
共鳴して
空も泣いてる

私達と一緒に
今夜泣いてる
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