名もない詩集

10年後の秋のうた

あなたと密やかな
やりとりをして
互いに
やきもち妬いてた

あれは
いつのこと
だったかな

ずっと前の
ことだったかな

ある日
弱音を吐いた
私に呆れたように
思い出さえも
かき集めるように
私の毎日から
消えたあなた

疑ったり
信じたり
決めつけたり
怒ったり

苦しかった事も
確かにあったけど

誤解でも何でも
喧嘩できてた内は

まだ良かったって
今なら思える

私が
あなたの毎日に
いた事すら
とっくに
うち消して
あなたはあなたの
毎日を生きてる

なのに
時折
振り返ってしまう

問いかけてしまう

あなたが
いきなり私を
切り離した
そのわけを
知りたくて

私は今でも

知ってどうする
傷つくだけよと
わかっていても
問い続けてる

終わりを打てない
書きかけの
メロディー

終わりが
浮かばない
あのシーンの
エンディング

あなたは
まだ
私の胸にいる




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