名もない詩集
電車を待つ
誰もいない
夜の駅のホーム

季節は春
また必ず
会おうと誓って
それから半年

燃えるような夏
灼けつく街を
遠い空を越え
歩いたよね

信じていいの?
そればかりを
目を覗きこんでは
確かめていた

やっとほんとの
家族になった秋
たった三日
一緒に過ごした
次の夜
もう会えなくなって

覚悟してたなんて
大人ぶって
強がって
涙さえ流せなくて

教えてよ
思いきり叫んだなら
思いきり泣いたなら
こんなに辛くは
なかったの?
忘れる事ができたの?

何度も誰かを
愛せやしない
本当に心から
愛せる人なんて
そんなにいるはずない

次から次
違う恋で
少し紛れても

結局気づいてしまう
あなただけを
愛し続けている自分に

助けてよ
こんなに苦しいの

こんなに悲しいなら
出会って愛したあの日
いっそ死んでしまえば
良かったの


会いたいよ
死ぬほど会いたいよ
助けてよ
苦しくて
思い出にさらわれて
息もできない


元気なの?
どこでどうしてるの?

見つけてよ
私はここにいます
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