名もない詩集
私のこと
愛してるつもりで
優しくしてるつもりで

いつの間にか
身動きできないように
抱きしめてる

ささくれた指では
痛みを感じているのに
乱暴な愛し方じゃ
苦しいのに

誰にも渡さない
そう言うあなた
いつの間にか
深みに落ちたのね

沈んでゆくあなたに
共に水底へ
連れてゆかれ
息もできない

愛はegoist
二人とも本当は
自分の為に
引き止める

まだ今は
突き放せないけど
突然に来る
その日まで
あなたの腕の中で
涙を数えましょうか


やがて来るはずだった
ありはしない
二人の未来を
夢見て眠りましょうか
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