名もない詩集
ある日
瞳にかけられた
ブラインド

あなたが
素敵に見える
ブラインド

あなたの
周りを囲む
女の子達に
軽いジェラシー

認めたくなくて
あなたから離れた

だけど何かに
引き寄せられて
あなたから
目が離せない

気になるわ

何度も見てしまう

さりげなく
バレないように

深入りはしない
それだけは決めて

つかず離れず
友達の距離で

砂糖菓子を
忍ばせるように

取り出しては
舌の上で転がし

喉をすべり
胸まで落ちてゆくまでを
楽しむわ

今夜も密かに

夜が笑う

ブラインドが取れた時
淋しすぎるのが
嫌だから

夢は見ない

少し眠ったら
忘れる程の
淡い情熱の火よ

もて遊ばれないよう
注意なさい

鏡の中の
自分に言うの

今夜も一人





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