名もない詩集
火を吹く淋しさは
胸を焦がし
この身を焼き尽す

燃える痛みは
鋏では紛れなくて

隣に眠るあなたに
息を殺し
背中向けて
一人震え
流す涙は熱くて

強い力で
抱き寄せて
力に任せて
奪い尽してくれたなら

すぐに痛みも
消えるのに

あなたの心は
いつも遠い場所で
夢を見ている

そこに私はいない

カーテンの外
真冬の風が吹いて

私は凍りそうです

あなたが欲しい
あなたの全てが
ぬくもりも
未来も全部

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