名もない詩集
投げた硝子が
太陽をよぎって
目を閉じた瞬間
行き先を見失って

あなたは
ただ立ち尽して
青い空を
ただ眺めていた

その瞳から
落ちる涙は
堕ちた涙なの
それとも後悔の涙

僕に惹かれた
理由はなあに
聞いてもきっと
答えられない

理由なんてない
理由なんて
初めからない
惹かれる事に
理由なんていらない

そう言えない僕の
知らない所で
あなたが流した涙も
気づかず

あなたの手のひらの
傷にも気づかないで

その笑顔に
騙されてた

大人だから
遊びだから
冗談だから

たくさんの
言葉をあえて探して
痛みを全部
背負うつもり
言わせたのが
僕だとしても

あなたは言うんだ

一瞬でも
永遠でも
恋にかわりはないし

100回好きって
嘘をつけば
嘘も嘘じゃ
なくなるんだって

だから私は
99回でやめるわって

笑いながら


さよならが
怖いんたろう

一瞬の本気が
永遠の別れになるのは
悲しいと

笑いながら
あなたは言った



ああ
そうだね

永遠にあなたを
失うなら
僕も
騙されたふりしよう

そんな二人の
足元に
誰かが投げた硝子達が
悲しい位に
たくさん
綺麗に光を放ってた






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