名もない詩集
君は小鳥

自分から
僕の鳥籠に
迷い込んできた
青い小鳥

君は小鳥

籠を飛び出して
歌う
美しいカナリア

淋しい歌を歌う
美しい声で

だけど
君はいつの間にか
歌わなくなり

涙を纏い
凍えて死んだ

まるで
幸せの王子の
足元で
凍えて死んだ
あの小鳥のように

早く飛び立てば
死なずにすんだのに

ああそうか
翼を
怪我してたんだね

見えなかったよ
今気がつくまで

嘘さ
知っていたけど
見ないふりしただけ

君は小鳥

今日の冷たい雪で
動かない塊になった

ただの馬鹿な小鳥









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