名もない詩集
できそこないの
こんな私でも
友達だよと
言ってくれた人が
いたんだよ

私が元気ないと
励ましてくれて
悲しんでいると
そっと見守ってくれた

風邪をひいたよ
と言えば
心配してくれた

困っていたら
すぐに助けてくれた
強い味方で
優しい人だった

でも
もうそれも
終りかも知れない

人に裏切られ
傷ついてきた私が
誰かを信じるのは
たやすくなかった

そんな私が
友達と
思いたかった人は
やっぱり
私なんか
重荷だったんだろう

重ければ
下ろせばいいさ

誰かを困らせる気は
さらさらない

短かった幸せだけど
ありがとうと言えるよ

手にいれたものは
なくなるからね

初めから人は
一人なんだから

ああ
闇に落ちてゆく

闇に抱きしめられて
闇に愛された私は
深い眠りを探している



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