名もない詩集
優しかった君を
恨めるはずもなくて
ただ自分を
嫌いになってゆくだけ

眠れずに迎えた朝
あれこれと
自分を責めて
泣くすべも知らなくて
君と重ねた
日々を思い返せば

胸の中が
陽だまりのように
ただ暖かい

これが君の
くれたもの

春の温もりのように
優しい人だった

長さだけではない
交した言葉の数でもない

触れ合えた
瞬間に
感じあえた
気持ちこそが
君自身
僕自身
喜びだった

だから
憎まないよ
これからも
君に
感謝して生きてく

弱音を吐く僕の
背中を押してくれる
その手失くしても

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